44th Universe.

簾の隙間より洩るる朝ぼらけの光、
いと煌びやかに眩しかりければおどろきにて、ゑいといふて立ちけり。
やうやう電算機にむかひて統計数値の収集をし、
図表を書き起こして主題選定動機に整合をうみけり。

後にのこされり時間を全てを発表資料の作成に捧ぐ。

研究会、老師の都合ありておよそ壱時間半ほどおそばせ始まりて、
後輩達の発表より始まる。
雇用族、医療族、ともにしつかりと研究してをり、とかく焦燥の念に駆られけり。

ややもして先達としての面目を躍如せんと、即と雅といふものたちありて、いきり立つ。
即、塵の減量と再利用の促進を主題にて先行論文を要約せば、
これに負けじと我も発表を行ひけり。

睡眠不足いと我を苦しめ、研究会解散のち大栄にて天麩羅のやうなものを
食べつつ夢魔我をしきりに襲ひけり。

雨粒、かつての長篠の戦の三段てつはうのやうに地を絶え間なくうがちける中を
我早足にて家路を急ぎけり。

夢魔たやすく我をごくんと呑込み、我、夢現の狭間を彷徨いけるを
我の魂、肉体の鎖を離れ空に浮かび我の死に体を見下ろす。
我、我を見てかばかりなる疲れを癒すものあらまほしきことにやとぞ思ふ。