44th Universe.

無事に引越し屋に荷物を預ける事に成功し、
がらんどう(でも無いが)になった部屋の後片付けに奔走する。
何もない部屋は、何かがある部屋よりも冷え込みが激しい。
これは新しい発見だ。

ウォークマンもカメラも全部荷物に出してしまったので、娯楽が何も残されていない。
かろうじてあるテレビ(あまり見ないけど)と、そして携帯と、
卒コンのときにみっちーに借りた東野圭吾の変身くらいか。
(会社の研修に必要な資料も多いがお世辞にも"娯楽"とは言えない。)

というわけで、東野圭吾の変身を読んだわけだけど。

凄まじい。
ダニエル・キイスのアルジャーノンに花束をに類似する部分も感じたけど、
(同じ脳手術に関する話だから仕方ないが)
読んでいて、何度も体が切り刻まれるような想いを得た。
異常じみた狂気の世界と、その中に一瞬かいま見せる人間らしい気持ちのバランスは
東野ワールド(ダークサイド)の真骨頂だな。
うぉー未だに身震いが止まらん。部屋が寒いのもあるが。
毛布の一枚くらい部屋に残しておけば良かったか。
今の僕に許された寝具は上部室に寄付する予定のソファのみだ。
エアコンも何か利きが悪いし。


弘明寺、大岡川沿いの桜が綺麗に咲いていた。
例年より早い気がする。
延々と続く桜を見ていると何だか心が締め付けられる気持ちになった。

部屋に残されたバラバラのベッドとバラバラの机。
四年前、一人で組み立てた家具たちは、
その役目を終えて眠りにつく。


徒然なるままに書きつけてみた。